バランスのいい土づくりから栽培される「黒にんにく」や小野町産そば粉100%使用の「石臼挽きおのまち小町ガレット」など、ご当地のおいしい食がたくさんある小野町。
今日はその小野町で活躍する小野町地域おこし協力隊の古崎泰介さんを紹介します。
古崎さんには小野町でかなえたい「ある夢」があるとのことですが、それはいったいどんな夢なのでしょうか?
―― たくさんの自治体が地域おこし協力隊を募集している中で、なぜ小野町に決めたのですか?
全国いろいろなところに自動車でドライブするのが好きなんです。
それで各地の道の駅を訪ねるのですが、それぞれ特色がありまた地域の魅力が一か所に集約されていて面白いなと思ううちに、道の駅を作ってみたいなと思うようになったんです。
そこで地方に飛び込み、道の駅の立ち上げに携わろうと考えたのが、地域おこし協力隊になろうと思ったきっかけです。
また私は埼玉県育ちですが、母は福島市出身で、父方も福島県にルーツがあることから、前から馴染みがありました。そして福島県に絞って道の駅がない自治体を探していたところ小野町にたどり着いたんです。
―― たしかに小野町にはまだ道の駅がありませんね。
道の駅に限らないのですが、そこに行けば福島県のお土産を買ったり何か福島の食を味わえたりするような福島のPR拠点となる場所が小野町周辺には本当に少ないんです。
例えば、私みたいに埼玉に帰省しようとした時に、小野町で福島土産を買おうと思うとスーパーぐらいしかありません。もし旅行に来た人がスーパーの銘菓コーナーでお土産を買うとなれば、ちょっと違和感を覚えます。では、高速道路に入ってから買おうと思うと、県外のサービスエリアを利用する他ない場合があり、そこで販売されるその土地の品が福島のお土産のライバルになっていますよね。福島で遊んだ人が他県のお土産を買って帰ってくるなんて話は何だかおかしな感じがします。
さらに他県から友達を呼ぶと、友達は「小野町に」という以前に「福島県に」遊びに来たという印象を持っているので、せっかく来てくれた友達にはもっと福島を感じてもらいたいんです。ですから、お土産や食などここに来れば福島が勢ぞろいするような場所を用意したいと思っています。
―― いいですね、道の駅。小野町は「石臼挽きおのまち小町ガレット」や「おのまち小町アイスバーガー」などありますから、小野町の食もPRできますよね。
実はその「石臼挽きおのまち小町ガレット」を商品開発したのは私なんです。
地域の特産品を地域の人達が連携しながら生産(1次)・加工(2次)・販売(3次)するのを合わせて「地域産業6次化」と呼ぶのですが、地域おこし協力隊としては小野町の特産品にこだわった新しい6次化商品を開発しているんです。
町内では、シェフリー松月堂さん、レストラン志木さん、カフェレストランオリーブさん、そして釜めしやふじさん(要予約)で取り扱っているんですよ。
そして今、開発中なのは『ずっぺ』です。
―― 『ずっぺ』? 可愛らしい響きですがどんな商品ですか?
「ずっぺ」とはドイツ語のSuppeのことで、「スープ」を意味します。
東北弁っぽい響きもあると思いますが、いかがでしょうか。
小野町産の地元野菜をつかったポタージュスープを考えていて、近いうちにイベント等で試食販売できたらいいなと考えています。
―― しかしドイツ語なんて珍しいですね? なぜドイツ語なのですか?
世界では英語が共通言語ですが、実はヨーロッパだけでみるとドイツ語を母国語にする人々は多いんです。
私は英語の他に別の外国語を勉強したくて大学時代にドイツ語を専攻していました。
今は、そのドイツ語の知識を活かして毎週一回小野町内でドイツ語の勉強会を開いており、仕事帰りの社会人の方々に受講してもらっています。
実は、町内で仕事とは別に地元の子供たちにサッカーを教えている方がいて、その方のアドバイスがあり、地域内で自分も何らかの役割が担えないだろうかと考えたのがそれを始めたきっかけです。
―― 地域おこしで今後取り組んでいきたいことはありますか?
やはり道の駅の開設を長期的な目標として取り組んでいきたいと思います。
昔の小野町を知る人は人口減や地域の衰退などで下り坂を見てきている方が多く、地域への希望を失っているように感じることがあります。
一方で『おのまち小町アイスバーガー』の小野町商工会青年部や高校生が頑張っています。
福島県立小野高校の生徒たちは、6次化商品開発への取り組み、「ふるさと福島魅力発見プロジェクト」や「地域の伝承に学ぶコンテスト」での最優秀賞など、めざましい活躍をしています。このように若い人たちが頑張っていることが周知されるだけでも希望が感じられ、結果として地域おこしに繋がるのではないかと思うんです。
仮に道の駅のような場があって、ガレットだけでなくアイスバーガー、さらに小野高生が考案した商品を販売できれば、経済が回るだけでなく地域の活力を発信しているという意味でも地域おこしになりますからね。
―― 町内でお気に入りの場所やお店はありますか?
たくさんあり過ぎて選ぶのが困りますが、なんといっても「諏訪神社の爺スギ媼スギ」ですね。
この写真は年初に撮ったものですが、2本が並んで寄り添っているのがよくわかりますよね。
あとは個人的に好きなのは、正面に高柴山を仰ぎながら日影山の東麓を通るルートですね。
勝手に”こまちスカイライン”と呼んでいますが、アップダウンがあってドライブにお勧めですよ!
(諏訪神社の爺スギ媼スギ、夕焼けに照らされて素敵です)
―― ありがとうございます。最後に地域の方々に何か伝えたいことはありますか?
地域の人達は親身に相談にのってくれる人が多くて、小野町に来てよかったと思います。
特に小野町商工会の方々にはお世話になっていて、地域内で誰に頼ればいいとかそういったアドバイスをしてくれたうえで私にガレットの開発を一任してくれました。
そういった広い心でチャレンジする機会を与えてもらえていることは、本当にありがたいことです。
古崎さんは、任期後も小野町に定住し、地域おこしに尽力したいとのこと。
小野町のPR拠点があれば、さらに小野町の魅力が広まること間違いなしですね。
ぜひ、魅力たっぷりの小野町に遊びにお越しください!
<小野町地域おこし協力隊>
住所 小野町大字小野新町字中通35(小野町商工会内)
TEL 0247-72-3228
URL https://www.facebook.com/%E5%B0%8F%E9%87%8E%E7%94%BA%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%81%8A%E3%81%93%E3%81%97%E5%8D%94%E5%8A%9B%E9%9A%8A-654565568006116/
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