お宝リポーターの橋本です。
今回は、玉川村の2つの地区に伝わる伝統行事「やっちゃごや」をご紹介します。
実は、お宝リポーターとして活動を始めた頃、玉川村のイベントを調べていると、1月「やっちゃごや」とあって、これはいったいどんな行事なのか?気になってしかたなかったのでした。
そして、とうとうその時期が近づいてきました。
以前は、何カ所の地区で行なわれていたそうですが、年々途絶え、調べていくうちに現在では「山小屋地区』と「南須釜地区」の2つの地区で行なわれていることが分かりました。
12月、地元の商工会にお伺いしたところ、偶然にも「やっちゃごや」を行なっている南須釜地区の方がおり、年末に小屋は建てられていることを教えてもらいました。
教えていただいた田んぼに行ってみると・・・
ありました!!ワラと竹で出来た小屋です!
中に入ってみると、筋交いもしてあり、頑丈な造りにひたすら感心。小屋の確認が出来たので、この日は大満足でした。

=南須釜地区のやっちゃごや=

=南須釜地区のやっちゃごや=

山小屋地区のやっちゃごやも完成していました。
=山小屋地区のやっちゃごや=

=山小屋地区のやっちゃごや=

そして、いよいよ1月14日。
南須釜地区のは19時に行なわれると聞いていたので、30分前に小屋のある田んぼに行きました。その日は粉雪が舞う気温-3℃という寒さにも関わらず、地区の大人も子どもも大勢集まり、さらには地元消防団の皆さんがスタンバイしていました。

あまりの寒さに耐えられず、小屋の中に入ると、中はとても暖かく、中学生の男の子達4~5人が網でお餅を焼いて、甘茶を訪問者にふるまっていました。私も温かい甘茶をいただき、心も体もジ~ンと温まりました。参加していた地元の方にお話を聞くと、昔から地区の男子(小学校3年生~中学2年生)だけが参加できるのだそうです。その時の中心的役割は中学1年生で、中学2年生は過去の経験を生かして世話役に回るそうです。

『やっちゃごや』がいつごろから始まったのか古老達にもわからないそうです。農作物を荒らしまわる害鳥を追い払って、その年の豊年を祈るとともに農村の正月の楽しみのひとつだったのだろうとも言われています。せっかく作った小屋ですが、最終夜に火をつけて正月飾りも一緒に燃やします。どんと焼きの役目もしているんですね。
一時期、途絶えたこともあったそうですが、行なわなかった年に大火事があったこともあり、復活したそうです。
現在、少子化ということもあり、小屋づくりの人手が足りず、大人も手助けしている状況ではあるのですが、ふるさとを想う玉川村の方々の気持ちがひとつになって伝統行事を守っている姿に感動しました。
外は本当に寒かったけど、新年早々、心も体も温かくなれる『やっちゃごや』。
玉川村のお宝です。

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